魅惑のクラシック音楽(3)
前回のオット・オルソン「詩篇110番」に味を占め、再び珠玉の音楽に出会うネットの旅に出かけることにしました。
今回もまあまあの難題。クラシック音楽としては新しい部類でしょうかね。
作曲者 John Rutter(ジョン・ラター)
曲名 Gloria
ジョン・ラターは、イギリスの作曲家で、まだご存命です。
グロリアは、ミサ曲の6曲の中の2曲目ですね。
ミサ曲は一般的に、
『キリエ』(憐みの賛歌)
『グローリア』(栄光の賛歌)
『クレド』(信仰宣言)
『サンクトゥス』(聖なるかな)+『ベネディクトゥス』(誉むべきかな)
『アニュス・デイ』(平和の賛歌)
の5(6?)曲で、歌詞(典礼文)は必ず同じです。
ミサ曲は、それこそバロックから古典派ロマン派現代音楽に至るまで、膨大な数が存在します。
一人の作曲家でも「ミサ曲第○○番」とか、たくさん作られていたりしますし。
ロマン派以降は、ミサ用ではなく、演奏会用の大曲が作られるようになったようです。
ベートーベンの「ミサ・ソレムニス」あたりは有名ですね。
シューベルトのミサ曲6番とか、ブルックナーのミサ曲3番とかあたりも、なかなかの大曲。
個人的には、ロマン派ではシューマンのミサ曲が好きですね。
前述のミサ曲の構成の中で、2曲目の「グロリア」は、栄光の賛歌と言われるだけあって、どの作曲家の作品でもその曲調は明るく輝かしい雰囲気のものがほとんどです。
で、グロリアの最後は「アーメン・コーラス」と呼ばれる部分で締めくくられます。
で、話をだいぶ戻しますが、ようやく本題です。
ジョン・ラターのグロリアですが、これはミサ曲ではなく、「グロリア」単体の曲です。
演奏会向けだから、それでいいんでしょう。
時代でいったら、クラシック音楽の中でも「現代音楽」に分類されるんでしょうか。
もうこれは、百聞は一見に如かず、です。まあ、『一見』ではなく『一聴』ですけど。
もう、ミサ曲だとか、クラシック音楽だとか、そういう概念が通用しない。
ポップで変拍子の嵐。いや、基本はクラシックなんでしょうけど……これ、歌ってる人は絶対楽しい曲だと思います。
難易度は高いけど、仲間を集めてハモりたくなる。チャンスがあるなら私も歌ってみたいぞ。
そして、最後のアーメンコーラスからのフィナーレが秀逸。というか、なんか知らないけど、毎回笑っちゃう。
ジョン・ラターの才能が凄すぎて、驚嘆を通り越してもう笑うしかない……という感じです(意味不明)
でも、聴けば分かります。このグロリアはとにかくスゴイ。
最後の最後、数秒の空白は、聴いているこっちが緊張してしまいます。で、またスゴ過ぎて笑っちゃう。
わたし的に、クラシック音楽で笑っちゃうのって、この曲だけな気がする……(そのくらい好き)