天&悪 懺悔の章(2-3)UPしました。

 ようやく後編UPです。長かった……思いがけず前中後編の三分割となりました。
 

 現時点で、原稿用紙換算90枚あたりなので、当初予定していた「懺悔の章」を400枚程度で収める計画は早くも頓挫しそうです。
 もう、好きなように書きます。

 

 この「懺悔の章」では、私が難関だと思っているエピソードが三カ所あります。
 その一つ目が、今回の更新分でした。

 

 本当に難しかった。

 

 プロットではたったの一行です。
 結婚を申し込んで、それを了承する、と。

 

 でもこの二人の距離感から、一歩踏み出すきっかけというのがもの凄くハードルが高くて、どう表現すべきかさんざん悩みました。
 キザな演出だったり、芝居がかった言葉だったり、そんなのは似合わない――そう思いました。
 あくまで自然な流れでさらりと告げるシチュエイション――たぶん彼も「今日プロポーズしよう」と決めて準備していたわけでもなく、確かに突然は突然なんですけど、いつ言ってもいいと考えていたんだと思います。

 

 だからこそ。
 その真っ直ぐな想いが、華音の胸をきちんと射抜いたのではないかと思うのです。

 

 ただそれを、うまく表現できたかどうか……でもこれが、いまの私の精一杯の筆力です。

 

 

 しかしまだ「懺悔の章」は序盤です。

 わー、幸せになって良かったねー、ちゃんちゃん♪ とは……ならないんでしょうねー、愛憎劇だから。

 

 鷹山への想いは、いまだ存在しているし、富士川はそのことを分かっててプロポーズしたわけですから。

 まだまだ難局が続きそうです。

 

 

 あと、この「懺悔の章」では、細々とした音楽シーンを採用しています。

 これまでは、こけら落としだったり、定演だったりで、そこそこメジャーな大曲を取り上げていましたが、今作ではその趣向を変えています。

 

 というわけで、今回はパガニーニです。

 カプリースは比較的メジャーな曲ですが、せっかくだから高野にリストの編曲版を弾いてもらいました。

 富士川もあいらちゃんにせがまれてヴァイオリンを弾いて聴かせているようですが、さすがは一番弟子、子供相手にちゃんと本気出して弾いてあげてるんだろうな……なんて想像してみたり。

 

 では、今回はこの辺で。

 よろしければ、引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。