何も手につかない。(と言いつつこれを書いている)

 『巨星墜つ』という言葉があります。

 偉大な人物がこの世を去ることを意味する表現です。

 

 今まさに、そういった状況に置かれています。

 肉親ではないけれど、自分の人生において肉親以上の圧倒的な存在感を持った、大切な人を失ってしまいました。

 

 この先どう生きていったらいいんだろう。そんなことばかり考えてしまいます。

(死にたいとかそういうことではないです、念のため)

 

 あまりにもその別れが突然だったため、心がついていかないんだと思います。

 コロナの絡みもあり、最後にお会いしたのは昨年の暮れ――ひと月前には全くそんな素振りはなかったのですが、いま思い返すと、病状を隠してあえて元気そうに振舞っておられたんだと気づき、また悲しくなってしまう。

 

 

 どうしてここまで気分が安定しないのか。それには理由があります。

 7年前の2月、ちょうど今と同じ時期に、私は父をガンで亡くしました。

 年末までは体調がすぐれないながらも自宅で余生を過ごして、正月明けて体調を崩しそのまま入院、ひと月後に帰らぬ人となりました。

 

 その時と全く同じなのです。

 病名も、病状も、悪化していった時期も、亡くなったときも、亡くなった年齢までもほとんど変わらず、平均寿命よりかなり若くして生涯を終えたところも一緒です。

 そのため、7年前の記憶がオーバーラップして、私の心をいっそう苦しめているのだと思います。

 

 父親の死自体は気持ち的に昇華されていて、いまも引きずっていることはないんですが、今回のことで、なんか、フラッシュバック的なことが起こっているんでしょうかね?